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2019年05月15日

#研修

【新卒入社スタッフ研修】~実践研修~食事介助に関する研修を行いました。

2019年4月16日〜17日にかけて、「食事介助」に関する研修を行いました。この研修を受けるのは、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイムを運営するアズパートナーズに4月に入社した新卒スタッフの皆さんです。入社後に様々な分野の研修を行なっており、そのうちの一つとなります。

食事の意義と目的を理解し、「主役はご入居者」という意識をもつ。

■生命の維持・栄養補給
■楽しみ・喜び
■生活のリズム、メリハリが持てる
■コミュニケーション
食事をするということは、上記のような様々な要素を含みます。

ご入居者の中には、「咀嚼・嚥下力 「消化・吸収力」「体力」「身体機能」などの低下や、「気持ちが不安定、落ち込んでしまう」などの理由により、食事が億劫・苦痛に感じる方もいらっしゃいます。

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そんなご入居者に寄り添い対応することが、とても大事なことです。
ケアに慣れてくると、スピードやスケジュール重視のケアになってしまうことがあります。これは、ご入居者の尊厳を傷つけてしまったり、危険な状態に陥る場合もあります。優先すべきは、「ご入居者」です。目指すべきケアとは、お一人お一人の食生活を尊重し、その方に合った食事を提供することです。「安心・安全の暮らし」や「生きてきた人生を尊重しいつまでも自分らしい生活」の実現にもつながり、 関わる全ての人に笑顔や幸せをもたらします。

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食事を「美味しく」「楽しく」するためには。

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【口から食べる】
これは、心と体の健康につながります。噛むことで唾液の分泌を促し、消化吸収の促進、口腔内の清潔保持や乾燥予防にもなります。生きている限り口から食事をする。人としての本来の姿です。
【楽しく食べる・美味しく食べる】
気の合った仲間との食事は人間関係を豊かにし、生活に張り合いや潤いをあたえます。また、旬の食材や、行事食・イベント食なども取り入れて季節感を出すこともいいですね。たまの外食で、ご自身で選んだ食事を食べることも、幸福感や満足感に繋がります。

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【自分で食べる】
食事に時間がかかっても、食べこぼしがあっても、自分のペースで食事ができることは喜びや満足感につながります。「できる事は自分の力で」「お一人お一人の生きてきた人生を尊重しいつまでも自分らしい生活」の継続のためには、お一人お一人に配慮した食事形態や環境を整えることが必要です。介助が必要な方は自信を無くしていたり申し訳なさを感じているなど複雑な心情があることを理解して 「精神的なサポート」を心がけ、遠慮のない関係性を築いていきたいですね。

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【安全に食事ができる】
咀嚼・嚥下機能が低下してくると、食べ物や飲み物が器官に入りやすくなり誤嚥性肺炎や窒息などにより生命に危険が生じることがあります。 お一人お一人の咀嚼・嚥下機能に合った食事形態、支援の方法・正しい姿勢になっているか確認することが重要です。時間がない・危ないからといってすべてを介助したり急がせると、ご本人が意欲をなくしてしまったり、自尊心を傷つけてしまったり、誤嚥や窒息などの危険性が高まります。心にゆとりを持ち、ご本人のペースで召し上がっていただくことを心がけます。

嚥下のメカニズムを理解し、誤嚥を防ぐ。

誤嚥とは、食べ物を飲み込んだ時に食道ではなく気管に入ってしまうことです。嚥下に障害が生じ誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があり、最悪の場合、窒息などが起こる可能性があります。
誤嚥を予防するには、ご入居者の状況や姿勢に合わせた適切な食事姿勢とその正しいやり方を理解する必要があります。「口腔内の状態・義歯が合っているか」「お一人お一人にあった食事形態か」「むせていないか」食事の介助をしながら、これらのことを細かく確認します。

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ペースや一口量の確認もしっかりと行います。一口が多いと中々飲み込めず誤嚥の原因になってしまいます。ご本人に適したペースや一口量で召し上がれるように調整します。
食後はゲップなどと一緒に胃液を含んだ食物が逆流して気管に入ってしまう危険性があるため、食後1時間はできるだけ起きて過ごしていただきます。食後、横になって体を休めたいという要望や、ベッド上での胃ろうや食事をされた際は、逆流予防のため頭部ベットを少し上げて休んでいただきます。

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参加者の声

■食事は生きていくのに必要なだけでなく、楽しみや喜びに繋がる重要な役割だと再確認しました。
■食事の意義と目的についてグループワークを行った際に、ストレス発散や自己表現にもなるという考え方は新たな発見でした。
■普段何気なくしている食事にも考えると沢山の意味がある。介護者として何を使用すれば食事がしやすくなるのか、アセスメントができるようにしたいです。
■嚥下のメカニズムを把握して注意する点を理解していきたいです。
■食べるタイミングやペース、量を考えるのが思ったより難しかったです。
■介助を行う際に目線を合わせることの必要性を実技で学びました。
■立ちながら介助を行うのは危険でもあり威圧感を感じました。
■スタッフ本位ではなく、ご利用者を主体としたケアが必須。時間に追われていて丁寧さや尊厳をないがしろにしたケアにならない為にも、ご利用者が心安らいで食事の時間を楽しめるように十分に気を配りたいです。

研修担当者の声

高齢になると身体機能が低下しやすくなり、何らかの理由で食事がとれなくなると低栄養や脱水を起こしやすくなります。免疫も低下することで体調不良を招き、認知機能や活動意欲が低下して心身共に健康を維持するのが難しくなってしまうことがあります。それらを踏まえてご入居者の生活をサポートする必要性があります。
そしてご入居者の今の状態だけを観察をするのではなく、サービスを利用する前までの食事環境やスタイル等を知ることも重要なことです。
また、時間や業務に追われてしまうことが生じることもありますが、食事介助の早さや予定通りに進んでいるから、仕事ができるスタッフではありません。
ご入居者お一人お一人の食生活を尊重し、安心・安全な暮らしを第一に食事をとり、豊かな暮らしを下支えする為にはどうすればよいのか考えられる介護職の一人になってほしいことを伝えました。そのためにも基本となる考え方、介助方法、リスク等を座学と実技で学んでいただきました。
実技の時には、常食以外の食事形態のものを実際に食べたり、あえて不適切なケアを体感して危険性を感じて頂いたり、食器等も一工夫することで「自分で食事を食べれる」支援ができることを実感していただきました。

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