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アズハイムの特徴09

ポリファーマシー改善の取り組み

信頼できる医療機関と連携して、
多剤併用の薬害予防やご入居者の使用薬剤のアセスメントに積極的に取り組んでいます。

ポリファーマシーとは?

カスケード状態 ある薬で副作用が出て、その副作用の症状を抑えるために薬剤を新たに追加処方する事。 薬剤有害事象 食欲不振・胃部不快感 下肢筋力低下・小刻み歩行 頭痛・めまい 誤嚥・咽頭部の違和感 せん妄・物忘れカスケード状態 ある薬で副作用が出て、その副作用の症状を抑えるために薬剤を新たに追加処方する事。 薬剤有害事象 食欲不振・胃部不快感 下肢筋力低下・小刻み歩行 頭痛・めまい 誤嚥・咽頭部の違和感 せん妄・物忘れ

「複数・多くの」を意味する「poly」と「調剤(薬局)」を意味する「pharmacy」からなる、
「害のある多剤併用」を意味する言葉です。
単純に「服用する薬が多い」ということではなく、必要とする以上の薬や不要な薬が処方されていることによって、
有害事象のリスク増加や、誤った方法で服薬(服薬過誤)のリスクが増加することを指します。

ポリファーマシー改善
の取り組み

アズハイムでは、専門職それぞれで動くのではなく、スタッフや信頼できる医療機関と連携しながら、
おひとりお一人の生活状況を確認させていただいた上で、使用薬剤のアセスメントに取り組んでいます。

ポリファーマシー改善の取り組みポリファーマシー改善の取り組み
  • STEP1

    現状の確認

    持参薬の内容(内服薬、軟膏類、貼付剤、点眼薬、市販薬、サプリなど)や使用状況、飲み合わせなどを確認します。

  • STEP2

    医師・薬剤師を交えたアセスメント

    医師・薬剤師と情報共有し、適正使用されているか確認します。

  • STEP3

    ご相談

    使用薬の変更を実施した方がよい場合は、ご入居者・ご家族へ報告し、変更内容について同意を得ます。

  • STEP4

    使用薬の変更

    使用薬の変更後は、経過観察を行い、変化については速やかに医師へ相談します。

  • STEP5

    経過観察

    変更後、異常がなければ継続し、ご入居者・ご家族へ経過報告をします。

ポリファーマシー改善事例

CASE1排便障害

薬品名または薬効分類マグミット、ラキソベロン

病院からの退院時、「経口摂取不可」と診断されたA様。
栄養摂取は経管栄養、意思疎通はできるが表情は乏しく不安感が強い状態(要介護度5)でした。特にお通じが下剤を使用しないと反応しないため、出たとしても水様便のような状態で肛門周囲に皮膚トラブルが発生していました。
入居時、ご家族より「病院ではもう食べられないと言われたが食事をすることをあきらめたくない」とお話があり、A様の夢は「食事ができるようになる」ということで、アズハイムでそのお手伝いをしていくことが決定しました。

アズハイム入居後に行ったこと

1全体の状態をアセスメント

声が出るか?唾液を飲み込めるか?咳をすることが出来るか?など食事をするということについて重要な「嚥下(えんげ)」のチェックを看護スタッフがケアスタッフと一緒に毎日観察しました。
下剤についても機能訓練指導員・ケアスタッフと一緒に腹圧トレーニングを毎日続け、看護スタッフも口腔内のアイスマッサージや嚥下訓練、腹部マッサージを実施しました。

2日々の生活リハビリ

日々の生活リハビリにより、少しずつベッドから車椅子生活へ移行し、日中は車椅子での生活が可能な状態になりました。

3訪問診療医と薬剤師によるお薬の見直し

必要以上のお薬を止めたことで飲み込みも安定し、このころから表情が明るくなり、声も出やすくなった様子がありました。

4訪問歯科と連携しながら食べることにチャレンジ

水分から少しずつ飲み込み練習を開始し、食べることにチャレンジしていきました。

結果

朝と夕は経管栄養で栄養をとりつつ、昼食は食事を口から食べるという生活を取り戻すことが出来るようになりました。担当医からはお薬を減らして意識がはっきりしたことと本人の「~したい」という意欲を引き出すケアを毎日継続して丁寧に関わることで奇跡が起きたと驚かれ、ご家族にも「また食事が食べられるようになるなんて夢みたい」と喜ばれました。一番の変化は、ベッド上の生活から車椅子生活となり、入居時比べて圧倒的に表情が豊かになり笑うようになりました。下剤の使用量や使用タイミングを再検討することで緩いことが原因の皮膚トラブルも改善、座位保持が可能になったことでトイレに座って用を足すことが出来るようになり、使用する下剤の量も減りました。

CASE2皮膚疾患

薬品名または薬効分類ステロイド薬(リンデロンVG軟膏)

元々自宅にいる時から全身の皮膚の乾燥と強烈な痒みがあるB様。
自宅近くの皮膚科に長年通いステロイド薬を長期使用されていましたが、なかなか症状の改善なく一部の皮膚は色素沈着し茶色になっていました。ご本人は処方された軟膏について、塗れば塗るほど効くと思ってかゆみが強いところに1日に何度も重ねて塗っていました。アズハイムにご入居後も乾燥と痒みが強く、夜間の睡眠も阻害されていたことから皮膚状態と使用しているお薬の見直しを行いました。

アズハイム入居後に行ったこと

1入浴方法の見直し

入浴方法は個浴で少しぬるめの個浴に少し長めに浸かっていただき皮膚を軟らかくしてから、皮膚に優しい石鹸でこすりすぎないように全身を洗浄。その後保湿用ローションをまんべんなく塗布し最後にワセリンを薄く塗布して乾燥を防ぐように対応しました。

2ステロイド薬の使い方を見直し

ステロイド薬は痒みの強いところのみに少量塗布し重ね塗りをしないように変更、皮膚状態の改善があった場合は継続使用ではなく中止を選択しました。

3水分摂取量や食事の見直し

全身のかゆみについては1日の水分摂取量の見直しや食事に亜麻仁油を摂取することも併用して実施しました。お風呂に入るのがお好きだったこともあり、皮膚状態が少しずつ改善されていきました。

結果

ステロイド薬の使用量と使い方の見直しと入浴の質を向上し、食事・水分の摂取を変えたことでステロイド薬を使用しなくても痒みのない皮膚状態に戻すことが出来ました。ケアの力で乾燥を防ぎ、適応に応じたお薬の使い方を実施することで痒みも少なくなり、夜間よく眠れるようになりました。

CASE3整形外科系疾患

薬品名または薬効分類解熱鎮痛剤 カロナール、
ロキソニン、湿布薬の常用

腰の痛みを抱えていたC様。
持病の内科系疾患の受診の際に「他に気になる症状は有りませんか?」という内科医に対し慢性的な腰痛を訴え鎮痛剤が処方されました。それとは別に膝の痛みで受診していた近隣の整形外科でも違う名前の鎮痛剤・湿布薬が処方されていました。ご入居者・ご家族ともに患部が異なる為それぞれの箇所に効く痛み止めだと思い、2種類の鎮痛剤を服用し、お薬手帳は使用していませんでした。
入居される頃には、常用していたお薬の影響で慢性的な胃もたれと食欲不振があり、湿布薬の常用で毎日貼っている箇所の皮膚も薄くなっていました。早急にお薬の見直しが必要と判断しました。

アズハイム入居後に行ったこと

1ご入居者の腰・膝を中心とした痛みの状態を把握

日常動作の中でどんな時にどこにどのくらい痛みが続くのかを観察し、訪問診療医・薬剤師へ報告・相談しました。

2訪問診療医と薬剤師によるお薬の見直し

ご入居者・ご家族へ1種類の痛み止めのお薬で経過をみることについて提案し、ご了承を得ました。

3新たに「お薬手帳」を作成し一元管理

入居後、新しく「お薬手帳」を作成し一元管理を実施することで使用しているお薬を全てまとめることができました。

結果

痛みの原因とその対応方法の見直し、介助の仕方を変えることで痛みが出にくくなり、結果として1種類の鎮痛剤で生活できるようになりました。また、お薬の使い方を見直したことで胃のトラブルや皮膚トラブルも改善し、美味しく食事がとれるようになり大変喜ばれました。