2022年4月12日〜13日にかけて、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイムを運営する株式会社アズパートナーズ(東京都千代田区)と各事業所をZoomでつなぎ、36名が参加するトレーナー研修が行われました。
毎年、新卒スタッフを迎えるにあたり、先輩スタッフはトレーナー研修を経て指導者としての1歩を踏み出します。「自分のやっていることを何となく教える」はOJTではありません。相性を見て、計画を立てて、個性に合わせた指導を実施することがアズパートナーズのOJTです。
今回のトレーナー研修では、そのOJT指導をメインに、「OJTの意味」「教え方の教え方について」「OJTのステップ」「OJTシートの活用方法」「実技の指導方法(食事介助/移乗介助)」などを学ぶ場となりました。
「OJTとは」を学ぶ。
OJTとは『On Job Training』
職場での仕事の経験を通しての職業訓練です。上司や先輩が部下や後輩に対して、職務を通じて職務に必要な態度・価値観、知識・情報・技術・技能等を指導育成する全ての活動のことを言います。
体系的・組織的にOJTを行うことによって、業務手順の平準化やサービス品質の向上、人材育成の推進などが期待できます。また、技術だけではなく勤務態度全般における正しい在り方を示すことができ、上から下への一方通行ではなく、“教え・教えられ”ながら「共に育つ」ことができます。
OJTを行う上で必要なスキルを確認しました。
①「なぜ」のエビデンスを持っている。
②知識だけでなく、経験を交えた説明ができる。
③説明の成果を「納得」「理解」においている。
④「調べる」ことを促進できる。
⑤エッセンスを聴くのがうまく、振り返ることができる。
⑥プロセスのどこに困っているか?が抽出できる。
⑦思考・感情・ステップの言語化・可視化ができる。
⑧理念を交えた自分の指導哲学をもっている。
ご入居者・ご利用者への「声がけ」の前に行う大切なこととは。
ご入居者・ご利用者との関わりの中で、「声かけ大切ですよ」と指導しますが、その前に観察を行いアセスメントしているか?がとても重要です。観察する内容は、表情・爪・肌・居室内の環境などです。
アセスメントを行うことで、「いつもと違うな」という変化に気づきやすくなります。変化に気づくと声がけする内容も変わり、声がけの内容が変わるとご入居者・ご利用者との関係性も変わってきます。
研修参加者の声
◼️研修を通して得られたことは、介助における行動や動作の言語化をすることです。指導をしていくにあたって、言語化することで相手がイメージしやすく理解できるなと感じました。また言語化することは、自分の介助動作を振り返ることにもなるので、積極的に言語化を図っていきたいと思いました。
◼️根拠、理由づけが必ずあり、それを分からないまま行うと、事故に繋がってしまいご入居者に悪影響を与えるということを学びました。OJTをするにあたり、必要なスキル、指導方法、注意の仕方、NG行為、それぞれのポイントを押さえてトレーナーとして後輩をサポートできるようにしていきたいと思いました。
◼️この研修で得られたことは、トレーナーとして必要なスキルと自分が理想としているトレーナー像の獲得です。私にとって必要なトレーナーのスキルは、介助などのエビデンスの獲得とそれらを噛み砕いて説明する能力です。また私が理想とするトレーナー像は、相手の話を傾聴し、問題解決に主体的に導いていけるようなトレーナーです。
◼️自分が今まで行ってきた介助を、言葉などで説明し伝えることは難しいが、今回研修で「どこをポイントとして伝えるか」「どう教えるのか」を理解することができました。色々と不安のある新卒スタッフが、一人立ちするときに自信を持って介助できるようにサポートしていきたい思える研修でした。
◼️2日間の研修を通して、言語化するということを強く意識することができました。自らが行っていた動きを言葉で表現することによって、なんとなくで済ませていた部分が明らかになったように感じます。「少し近い」という注意をするにしても、その近さがなぜいけないのか根拠を持って説明できるように自らの介助方法を振り返りたいと思います。
研修担当者の声
何事にも「なぜ?」を大切にしており、なぜケアが必要なのか?なぜこのケアなのか?これらの根拠と方法を言語化してイメージしやすいように伝えます。お互いに納得し理解が出来るまで繰り返すことで、「伝えたつもり」「理解したつもり」を防いでいます。知識と技術、どちらの面でも根拠が求められ、正しく統一されて再現性のあるケアを目指しています。「ベテランスタッフじゃなきゃできない」「新卒は失敗から学ぶ」という、お客様にリスクのある指導はしません。お客様が安心できるサービスを提供できることが、いつまでも自分らしく生活して頂けることだと考えます。
実技では、基本のボディメカニクスを再確認しました。これが理解&実施できないと正しい・安楽な介助はできません。スタッフは不良姿勢にならないようにすることや、持ち上げる動作を行わないことを意識して介助します。「力で介助していた・・・」「意識して行動できていなかった」「言語化するのが難しい」と悩む姿もありましたが、参加者同士、助け合いながら意見を出し合いました。学んだことを後輩スタッフにうまく伝えられるか、ドキドキしながら研修の終了です。皆さんが立派なトレーナーとなって、後輩指導される姿を楽しみにしています。2日間お疲れ様でした。