
2025年2月20日、アズハイムシリーズを運営する株式会社アズパートナーズ(東京都千代田区)の第6回となる事例研究発表会が開催されました。昨年5月から11月末まで間、各事業所で研究<アセスメント・計画・実施・モニタリング>が行われ、1次選考を経てエントリーされた47事例のうち13事例が本選に進みました。
事例研究発表会とは?
ご入居者・ご利用者の抱えている生活課題を解消・軽減するため、多職種が連携して介護現場における事例を科学的・客観的に研究し、プロセスを理論立てて発表しています。その成果をスタッフのスキルアップとサービスの質向上に繋げることを目的としています。
今期のテーマは「望む暮らしを科学的に叶える」
科学的根拠に基づいたケアを行う「エビデンス・ベースド・ケア」と、ご入居者・ご利用者お一人おひとりの人生背景に基づくケア「ナラティブ・ベースド・ケア」、そして昨年より当社が注力している「自立支援介護のケアメソッド」を取り入れた研究となっております。
事例のご紹介
全47事例のうち、入賞した研究を一部ご紹介します。


アズハイム神宮の杜
自立支援介護・過鎮静アプローチによる基礎能力向上と排泄機能・環境改善によるBPSDの改善
~「私はテーラー」あの頃の自分を取り戻す~
ご入居当初は、1日を通し傾眠傾向で覚醒状態が不良、食事介助が必要で歩行も困難だったご入居者。研究を通して基礎能力の向上が見られ、行動心理症状(以下「BPSD」といいます。)改善に大きく貢献された事例です。薬剤による過鎮静状態から洋裁活動を楽しめるまでの経過を追いました。
結果、遠方にお住まいのひ孫様のためにハロウィンの衣装を作り、送ることができました!ひ孫様が衣装を着たお写真をみて大変お喜びになったご様子が拝見でき、スタッフ一同も大変嬉しい気持ちになりました。


アズハイム綱島
世界観の理解 ~認知症ケアの実現性~
帰宅願望や不安などの認知症状が見られるご入居者に適切なサポートを行うため、その方の「世界観」を理解したケアの実現性を検証しました。訴えや行動はBPSDではなく大切な思い出や価値観から来ているのでは?という点に着目。世界観を理解していない状態としている状態の差が、ご本人との関わる上での差になり、結果としてご本人の症状に現れると考えました。
研究を通してご本人の発言や行動に変化が見られ、「今を楽しみたい」というポジティブなお気持ちを伺うことができました。


アズハイム城東公園
認知機能低下の中でも「自慢の味」をもう一度
ご入居者の世界観を完成するために、スタッフが過去への「旅の同行者」となるよう寄り添いながらサポートを行った事例です。対象のご入居者のBPSDは、飲食店を営んでいた頃の輝いていた時代の行動なのではないかと仮説し、認知機能が低下しても生活の楽しみを取り戻せるよう回帰型アプローチと自立支援介護に取り組みました。
料理人だったご入居者のこだわりが垣間見られるなどの変化があり、できないと思い込んだケアをするのではなく、ご本人に合ったケアを見つけることが大切だと再確認ができました。


アズハイム町田デイサービスセンター
デイサービス利用により得られる心身機能の向上~ご自宅での活動UPを目指して~
ご利用者の多くが在宅生活を望まれていますが、「家ではすることがない」というお声も多くいただきます。デイサービスをご利用いただきながら「暮らしの在り方」を共創することで、ご自宅での活動量が増加し、心身機能の向上に繋がった事例です。
歩行訓練や水分摂取といった基本的なケアに加えて、ご自宅での役割に繋げるため「できること」の発見や様々な趣味活動を楽しんでいただくためのアプローチを行いました。その結果、ご自宅での離床時間や外出回数など活動性の向上がみられ、ご利用者やご家族にも喜んでいただけました。
参加者の声
■昨年は先輩の事例研究を画面越しで見ていました。いつも自分に優しいご入居者が、先輩の研究を通して認知症状の改善に繋がっていたことを知り、深く感動を覚えました。自分もいつか取り組みたいという目標ができ、今期エントリーしました。後押ししてくれた同期や先輩に感謝しています!
■1年弱、大変なこともありましたが、取り組みを通してご入居者の笑顔が増えたこと、活動的な生活が継続できていることが嬉しいです!自分に足りない部分を支えてくださったスタッフの皆さん、ありがとうございました。
■自立支援介護のケアメソッドが導入され約1年半。研究内容もプレゼンもレベルが高くなってきていると感じます。ご入居者の望まれる暮らしの裏には「したいけどできない」というアンビバレント(相反する感情が同時に存在するさま)があります。自立支援介護ではその原因をいかに特定できるかということが重要です。今回の研究でも、ケアメソッドや蓄積された様々なデータが役立ったのではないでしょうか。同時に、人は「存在意義」を感じることが大切です。「役割をもっていただく」というサポートの大切さも定着し始めていると感じました。
担当者より
今回の事例研究では、全ての事業所がエントリーし、チームケアを用いながら研究を成し遂げることができたと感じます。研究もスムーズにいくことばかりではなかったと思います。試行錯誤しながら研究を進めていただいた結果、代表者の成長やご入居者・ご利用者の変化を間近に感じました。毎月研修を実施し、私たちも一緒に伴走しておりましたが、実際の発表を聞いてとても感動いたしました。
これからも、サービスの質の向上のために事業所の皆様と共にアズハイムを盛り上げていきたいと思います。
—–
▶アズパートナーズは、世代を超えた暮らし提案型企業です。
株式会社アズパートナーズでは、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイといったシニアサービス「アズハイムシリーズ」を、首都圏を中心に展開しております。
介護に関してのお悩みやお困りごとがございましたら、いつでもご相談ください。