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2021年05月01日

#研修

【新卒スタッフ研修】今回の研修の内容は、「全人的理解~ナラティブ・EBC(エビデンス・ベースドケア)・ICF(国際生活機能分類)~」です。

2021年4月19日、介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)アズハイムを運営する株式会社アズパートナーズ本社(東京と千代田区)よりZoomにて新卒スタッフ研修を行いました。
この研修は、「ご入居者・ご利用者を全人的に捉えられるようになること」を目的としています。
そして、ICFの演習を通して、その方がどのような生活を望んでおり、それが実現できない理由、つまり、困りごとは何かを見つけられることを目標としました。

まずは歴史の勉強からスタートです。

1800年のイギリスまで遡り、ソーシャルワークの始まりについて学びました。
ここでは、歴史的な重みと根拠を探ります。
時代背景によって取り組みに変化はありましたが、介護は福利の実現のために行われる対人援助であることを理解しました。

対人援助について深く学びます。

援助は個別ごとに実施されるため、アズハイムではナラティブ(その方の物語や語り)&エビデンス(科学的根拠)が求められます。
人が語る人生の物語に焦点を当てて支援を行う方法である、ナラティブアプローチですが、ここが抜けてしまうと、本人らしさを理解することができず、スタッフの感情の赴くままに援助が提供されてしまうかもしれません。そのような事態にならないためには、同時にエビデンスも必要になります。援助を行う上での根拠とも言えますが、再現性と表現することもできます。ナラティブとエビデンスは援助を行う上で理解と実践が求められることを学びました。

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続いて、ICF(国際生活機能分類)の演習です。

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事例から情報を拾い、ICFシートに記入をしていきます。ICFは「健康状態」「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」の6つに分かれています。
全ての項目に共通して、マイナスな部分ではなく、プラスな部分から考えるようにしましょう。
つまり、出来ることにどんどん目を向けていくということです。
しかもそれは、事例に書いてある情報だけではなく、想像力を働かせる必要があります。

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例えば、“ご家族と電話をしている“という情報から、「聴力に問題はないな。認知機能も大丈夫そう。会話も可能だな・・・。」等、”沢山の出来る“”している”を見つける事が出来ます。
更にグループワークを通して、メンバーから新たな気づきが得られました。
できないことには目が向きやすく探しやすいのですが、プラス面を見つけられるポジティブな思考が常に求められます。

研修参加者の声

◼️ICFシートを書くときに、プラス面を見ようと意識していても、気づかぬうちにマイナス面から挙げていた点は大きな反省点です。プラス面は、その人の性格や色がよく見えてくることも演習で感じました。一枚の紙の情報から、想像を広げその方の頑張ってきたこと、大切にしていること、本音などを推測する時間は、時間を忘れるほどに夢中になれました。「生きるとは、生きることの困難さと向き合う」この言葉はICFを作成してみないとわからないなと感じました。

◼️「心の苦しみを緩和する」までに一体どれだけの時間が必要なのか、どれだけ本人と向き合うのかと考えてみました。信頼関係を作ることからスタートし、何度も会話を重ねながら見えないナラティブをかき集める。の繰り返しとなると終わりのないものに感じました。しかし、今日一日アズ花子さんの人生を考えてみて、終わりのないものであるべきだと思いました。その人の何十年という詰まった人生を、ひとつずつ他人である私たちに伝えて下さることに感謝の気持ちを忘れてはいけないこと、そして私たちは本人のペース、デリケートな気持ちを十分に尊重し、焦ってはいけないと感じました。また、その話を受け取る私たちが何かに染まってはいけないということも非常に大切で、無意識に比較、優劣を人間はしてしまうという自覚をまずは持つべきだと思いました。

◼️ご入居者・ご利用者を深く知るためのコミュニケーションをとることは難しいと日々の勤務で感じ始めていましたが、その困難を乗り越えることが今回取り上げられた「ブラックボックス化されたナラティブ」を知ることなのではないかと感じました。知ることが難しいご入居者・ご利用者のブラックボックスのような人生の一部を意識して見つけなければ、その方にふさわしい介護はできないと学び、プロフェッショナルへの道は険しいと感じました。

◼️ICFとは人が生きることの全体像を示したものであり、各項目をバラバラに見るだけでは意味を成さないと学びました。各項目がそれぞれに影響を及ぼし合っており、項目を埋めていくうちにその人の全体像が見えてくることに感動しました。また、いつもその人のマイナス面にだけ目を向けがちですが、プラス面もマイナス面もその人の一面に過ぎず、全てひっくるめてその人らしさだと受け止めなければならないと気付く事が出来ました。そしてそれが生きることの困難さと向き合う本当の意味での生きることなのだと学びました。

研修担当者より

ICFシートの6つの項目を埋めてみると、人物像が見えてきます。
どんな暮らしを望んでいるのか(ニーズ)、その暮らしの実現を阻害している困りごと(アンビバレント)は何かを自分なりに導き出すことができますね。
この演習から、ICFは人が生きることの全体像を示したものであること、プラス面もマイナス面もひっくるめてその人らしさであること、生きることは生きることの困難さと向き合うことであること等を学びました。
全人的理解ということは、「本人らしさ」を学び、大切に出来ることです。
すぐに出来るようにはなりませんが、これから沢山の経験を積んで、全人的に理解できるスタッフになれることを期待しています。

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